こんにちは、HYCU(ハイク)の吉田です。
複数拠点、複数のNutanixクラスタ環境をお持ちの場合、どのようにバックアップやDRを実現するのでしょうか?最近続けてお問い合わせを受けていますので、今回書かせて頂きました。
HYCUは45日間使用できる評価版をご提供しておりますので、環境をお持ちの方は実際に触って頂くほうが分かりやすいと思います。
フリートライアルのご依頼はこちらから
とにかくすぐに試したいという方は、Nutanix Test Driveから申請することで、Nutanix Mine with HYCUのデモ環境が触れます。
https://www.nutanix.com/jp/test-drive-hyperconverged-infrastructure
2拠点構成ではありませんが、操作イメージは掴めると思います。
さて、本題に入ります。
今回のシナリオは2つの拠点、リモート拠点とデータセンターとします。
両サイトにNutanixクラスタが存在し、リモート拠点のデータ保護が目的です。
リモート拠点のバックアップだけであれば、リモート拠点にバックアップの仕組みを構築すればいいのですが、DRまで考慮するとデータセンターへデータを複製することを検討しないといけません。また、リモート拠点にIT担当者が居ない場合、バックアップの仕組みを日々どうやって運用するのか課題が出てきます。
そこで、Nutanixの”保護ドメイン”とHYCUの”Backup from Replica”を組み合わせることで、バックアップとDRの両方を実現します。
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この構成のメリットはこちらです。
- リモート拠点からバックアップデータをコピーしないため、WANを流れるデータ量を増やさない
- リモート拠点に何も展開しない(エージェントもプロキシも作業担当も不要)
- データはリモート拠点でもデータセンターでも、どこにでも復元可能
構築の流れは、
- Nutanixで保護ドメインを作成し、リモート拠点のVMスナップショットをデータセンターへレプリケートする。NearSyncとAsyncどちらも可能。
- HYCUのポリシー作成画面で、”Backup from Replica”オプションを有効化し、データセンターのクラスタをソースとして指定する。次に、リモート拠点のVMをバックアップ対象として指定する。
となります。それでは画面をみてみましょう。
【Nutanix】
1.リモート拠点とデータセンターの両方でリモートサイトを登録します。
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2.Mappingsで、ネットワークマッピングとvStore Name Mappingを設定します。
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3.保護ドメインを設定します。
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以上です。次にHYCUの設定に進みます。
【HYCU】
4.Source(保護対象)として両サイトのクラスタを登録します。
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5.ポリシー(バックアップルール)内で、[Backup from Replica]オプションにチェックを入れ、[Central Site Cluster]としてデータセンターのクラスタを指定します。
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6.作成したポリシーをリモート拠点の対象VMに割り当て、バックアップを実行します。
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ジョブレポートを確認すると、ステップ5)で[Retrieve the latest available snapshot](利用可能な最新のスナップショットを取得する)という内容が見つかります。HYCUは新しいスナップショットを作成せずに、保護ドメインに存在するスナップショットを利用します。メッセージに示されているように、HYCUはデータセンターのクラスタ上でスナップショットを見つけました。
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これで、データセンターのスナップショットからバックアップを実行していることが確認できました。バックアップは以上です。
次に復元を試します。
7.対象マシンを選択し、画面の中央右側から[Restore VM]をクリックします。
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8.VMの復元オプションを選択する新しいウインドウが開きます。
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9.次の画面で、復元先のクラスタ、Storage Container、接続するネットワークを自由に選択できます。最後に[Restore]ボタンをクリックすれば復元作業を開始します。
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復元の手順は以上です。
如何でしょうか。NutanixとHYCUを組み合わせると複数拠点を持つ環境でも簡単にバックアップやDR対策ができます。今回の手順には入れていませんが、長期保管のアーカイブの組み合わせや、ファイル/フォルダ単位の復元等も可能です。
詳細についてご興味がございましたら、当ブログにてコメントを頂ければと思います。
どうもありがとうございました。