パブリッククラウドの課題 – パート2:TCO/ROIとストレージ容量

  • 11 November 2020
  • 0 replies
  • 438 views

Userlevel 3

本記事は2020年8月13日にJosh Odgers氏が投稿した記事の翻訳版です。

原文はコチラ本シリーズの索引はコチラです。

 

Amazon EC2AWS)などのパブリッククラウドサービスをNutanix ClustersVMware CloudVMC)などの製品と併用することを検討する場合、ソリューションの仕組みや関連する総所有コスト(TCO)と投資対効果(ROI)を把握して、これらの要素を考慮することが重要です。

簡単ながらも見落しがちなのは、どの程度のベアメタルリソースを実際に使用できるのかという点です。

以前に製品比較したときに紹介したのですが、マーケティング資料(大概は「チェックボックス」形式のスライド)を比較して、記載されているままの価値を真に受けると、アーキテクチャーやサイジングに関して容量や回復力、パフォーマンスなどの重要な要素を検討する際に、誤った認識を前提としてしまう可能性があります。

AWS i3.metalVMCを使用する場合について、簡単な例を紹介します。

AWSでi3.metalを使用した3ノードVMCクラスター

VMCで31.1TBの物理容量が提供されているのが分かります。

VMCは「ディスクグループ」を使用するvSANをベースとしており、「ディスクグループ」ごとに「キャッシュ」ドライブが必要です。VMCに対して、VMwareでは2つのディスクグループを使用することを選択しているため、キャッシュドライブとキャパシティドライブの比率は13になります。

3ノードVMCクラスターのディスクグループ構成(i3.metal)

次に、Nutanix Clusters on AWSを使用する場合の、使用可能な容量について紹介します。

 

Nutanix AOSのおかげで、3つのi3.metalノードで39.8TBが提供されており、VMCの場合よりも24.5%多くなっています。

小規模な3ノード環境でも、AWSi3.metalインスタンスを使用する場合は、Nutanix ClustersのほうがROIがはるかに高くなることが明らかです。

その理由は、Nutanix AOSでは、キャッシュドライブとキャパシティドライブという、アーキテクチャー上の欠陥を持つ時代遅れの概念を適用していないためです。

Nutanixノード内のすべてのフラッシュデバイスが書き込みと読み取りの両方に使用されるため、ハードウェアのタイプやフラッシュデバイスの数に関係なく、回復力を低下させずに最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、ハードウェア効率が常に最適化されます。

それに対して、vSANをベースとするVMCでは、高いパフォーマンスを達成するには容量面で妥協する必要があります。適切なレベルのパフォーマンスを達成し、かつノード全体の障害につながる単一キャッシュSSD障害を避けるために、キャッシュ用に複数のドライブを予約する必要があります。

Nutanixのパフォーマンスと回復力はデフォルトで最適化されるため、使用可能な容量が減るようなことはありません。

次の投稿では、クラスターの規模が増大するにつれてどのような変化が生じるのか、およびイレージャーコーディングや圧縮といった容量効率を実現するテクノロジーがAWSの両方のソリューションに及ぼす影響とメリットについて紹介します。


This topic has been closed for comments