NutanixはAOS 5.18でHCIの歴史における新たなマイルストーンへ到達

  • 24 December 2020
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本記事はSteve Carter氏が2020年10月12日に投稿した記事の翻訳版です。

原文はこちら

 

AOS 5.18のリリースはHCI顧客に革新的な分散アーキテクチャの上に実装された新しい機能でアプリケーションパフォーマンスの向上をもたらす一方で、IT運用のこれまで以上のシンプル化と自動化を提供することで、ハイパーコンバージドインフラストラクチャの歴史における大きな一歩を踏み出しました。

ストレージ性能の向上

AOSのバックボーンであるウェブスケールアーキテクチャはパフォーマンス、しなやかさ、そして拡張性に重きをおくのみならず、これらの領域に置ける継続的な革新を実現することにも重きをおいています。よく練り込まれたメタデータはスケールアウトアーキテクチャの基盤であり、妥協することのないしなやかさと柔軟性、そして想定通りの拡張性を実現しています。このメタデータは時々に応じたデータローカリティ、想定通りの高性能の提供をアクティブデータがアプリケーションのそばに維持することで提供しています。そして重要なことはAOSは適切なしやなやかさ、セキュリティ、性能をAOSの開発陣が速いペースでの堅牢な機能の確信を継続していくために、ユーザースペースで実装されているということです。

 

Blockstore(ブロックストア)

Nutanixの完全に新しいブロックストアは低いCPUのオーバーヘッドと低遅延で、効率的にストレージメディアのIOを管理します。ブロックストアはユーザースペースのファイルシステムレイヤとブロック管理レイヤを司り、I/O操作を提供しながら、劇的にシステムコールとカーネルオーバーヘッドを削減します。ブロックストアによってAOSはあらゆる物理デバイス(NVMe、SSD、HDD)上にデータを迅速にかつ効率的に格納しながら、その一方でNANDベースのデバイスの摩耗を抑えることができます。まず最初はこの機能はNVMeデバイスを1つもしくは複数保持するオールフラッシュベースシステム向けに利用開始され、今後のリリースでより広範に利用されることになります。

 

SPDK

ブロックストアはAOSがIntel社のSPDK(Storage Performance Development Kit - ストレージパフォーマンス開発キット)を活用して、NVMeデバイスをユーザースペースから直接アクセスできるようにします。SPDKではユーザースペース上でロック機構のない、ポールモードの非同期NVMeドライバーの実装が可能となります。これによってAOSはゼロコピーの高度に並列化されたNVMeおよびIntel Optaneデバイスへのダイレクトアクセスが可能となり、レイテンシとレイテンシの変動の低減だけでなく、CPU利用率の低減に繋がります。SPDKの統合は5.18リリースではテクニカルプレビューです。

図 1 - ブロックストアとSPDK

ブロックストアとSPDKはともに業界をリードするハイパーバイザー - AHV、ESXi、Hyper-V -における 新たな信頼のおける、非常に効率的なAOSのデータパスを提供します。ブロックストアとSPDKはNVMeのSSDとIntel Optane SSDからAOSが最高のパフォーマンスを引き出すことを実現し、レイテンシを半減する一方でストレージ操作に必要とされるコンピュートリソースを引き下げることでTCOの改善を実現します。ファイルシステムとデバイスドライバーをカーネルの外へ移動させることで、AOSのストレージパス全体がユーザースペースのものとなり優れた障害隔離、セキュリティ隔離そして性能の拡張性を実現します。

 

オールフラッシュクラスタでのAESの有効化

継続的なパフォーマンスにおけるイノベーションのもう一つの例がAutonomous Extent Store(AES - 自律エクステントストア)で、これは頻繁に更新されるメタデータのためにローカルにパフォーマンスに最適化されたメタデータストアを追加します。AESはAOS 5.11で導入されましたが、それ以降も継続して成熟を重ね、5.18の時点ではノードあたりのSSDの本数に関係なくオールフラッシュクラスタで有効になりました。

これらの機能について更に詳しくはAOS performance advancements(AOSの性能の先進性)ブログを参照してください。

 

その他のストレージの改善点

 

標準でインライン圧縮を有効化

Nutanix HCIは2012年から圧縮をサポートしてきましたが、Nutanixの開発陣は継続してこの機能の効率性と設定可能項目について改善を行ってきました。圧縮の効率性とAOSの圧縮アルゴリズムの洗練の両方が進んだことから、5.18以降、インライン圧縮が標準で有効になるようになりました。インライン圧縮はキャパシティ利用率を改善(その結果としてのTCOの向上)を実現するだけでなくランダムI/Oパターンに特段の影響を与えることなくシーケンシャルワークロードの性能をも向上させます。圧縮はもちろん引き続き遅延でも設定することができ、必要であれば完全に無効にすることもできます。

 

Objectsの環境でのインラインのイレイジャーコーディング

インラインのイレイジャーコーディング(EC)がNutanix Objects環境で利用できるようになりました。もともと、2015年に導入されましたが、ECはクラスタ内のノードにデータをストライピングし、障害時にすべてのデータを復元するハードウェアの障害からデータを保護するために必要なキャパシティの総量を削減するための分散化アルゴリズムです。これは歴史的には”write-cold”となった後のデータに対してのみ実施されてきました、つまり一定時間更新されていないデータが対象ということです。これによってWriteのたびに行なわれる継続的なストライプの再計算を抑制することができ、基本的なストレージ操作のためにコンピュートリソースを節約することができます。しかしながら、Objectsはデータが1回のみWriteされるワークロード(Write One Read Many または WORMとも呼ばれる)に向けて設計されているため、ストレージの最大限の効率性を実現するために、データは即座にイレイジャーコードすることができます。

 

ストレージの管理性

これらのデータパス自身についての改善点に加え、新たな可視化機能もPrismに追加され管理者は自身のストレージのしなやかさと利用率についてより優れた洞察を得ることができるようになっています。

 

ストレージサマリウィジェットの改善

AOSは自動的にクラスタ内にデータを複製し、障害から保護しながら、データをクラスタ全体でバランスされた状態に維持し、管理者へは注意が必要なハードウェア障害や容量の逼迫をアラートします。AOS 5.18では新たに改善されたストレージサマリウィジェットが登場し、管理者にAOSがデータをどのように保存、保護しているかのこれまでにない洞察を提供します。新たなウィジェットはクラスタ内にどれだけのデータが書き込まれており、どれだけのスペースが残されているかを表す視覚的なキューが追加されています。そして、”view details (詳細を確認)”をクリックすることで、管理者はストレージ利用についてノードのレベルでブレイクダウンして確認することができます。


図 2 - ストレージサマリウィジェット

 

ストレージオーバープロビジョニングウィジェット

標準で、AOSクラスタ内に割り当てられるデータはシンプロビジョニングされており、ストレージキャパシティはそれが割り当てられたときではなく、データが書き込まれた際に消費されます。これは管理者がストレージをオーバープロビジョニングできるということであり、実際に物理的に利用可能な以上にストレージキャパシティを展開できるということです。こうした理由からPrismはストレージのオーバープロビジョニング率をストレージペーン上に表示するようになり、管理者はこれまでより簡単にストレージがどれだけオーバープロビジョニングされているかを確認できるようになりました。

 

ストレージコンテナのブレイクダウン表示の詳細化

AOS 5.18には新たな仮想マシンとボリュームグループとしてストレージコンテナ内に保存されているvDiskの詳細まで表示するストレージコンテナのブレイクダウンが搭載されています。 シンプルにPrism Element内でストレージペーンのストレジコンテナを選択すると、ブレイクダウンタブに選択したストレージコンテナ内の仮想マシンとボリュームグループのリストが表示されます。これによってそのストレージコンテナに何らかの変更を加える前に何が格納されているのかを簡単に確認することができます。

 

AHV

 

OVFフォーマットでの仮想マシンのインポートとエクスポートのサポート

オープン仮想フォーマット(Open Virtual Format - OVF)はオープン、セキュア、ポータブルなハイパーバイザーに依存しない標準的なパッケージングおよび仮想アプライアンスの配布形式です。複数のOVFと仮想化ディスクを統合したオープン仮想アプライアンス(Open Virtual Appliances - OVA)の利用することで、仮想アプライアンスの展開、移行、バックアップは便利で、直感的なものになります。これに加え、このフォーマットで配布されている多くのサードパーティソフトウェアの仮想アプライアンスをより簡単に活用できます。

図 3 - OVFのインポートとエクスポート

OVAとしてパッケージされた仮想マシンアプライアンスのインポートとエクスポートがNutanix AHVを動作させているお客様に完全にサポートされることになりました。Nutanix Prismイメージ管理サービスもNutanix環境をまたいでOVAを作成、管理、配布がシンプルに行えるよう拡張されています。新しいAHV Mission Controlサイト上のこちらのビデオ で簡単な概要を確認ください。

 

仮想マシンあたりのマルチvGPU

GPUはVDI環境の一貫したユーザーエクスペリエンスの提供のため、特にヘルスケアやエンジニアリング、エンターテインメント、デザイン環境などのグラフィックスを多用するワークロードにとって重要です。

GPUへの投資を最大活用し、より良い利用率を保障して、より幅広いユースケースをサポートするのをお手伝いするため、Nutanix AHVは仮想マシンへの複数のvGPUのマッピングをサポートしています。マルチGPUマッピングによって、デスクトップがアイドル時にコンピュートを多用する他のタスクとのGPUリソースの共有によってパフォーマンスが必要な際には追加で提供し、利用のバランスを取ることができるようになります。

 

ビジネス継続性とディザスタリカバリ

LeapでのSSRのサポート

ITチームがグローバルでのワークフォースのリモートワークへの配置転換の手助けと、エンドユーザーのそれぞれのホームオフィスからの快適でシームレスな業務のサポートは重要な要件となりました。Leapで保護されたエンドユーザー仮想マシンのSSRサポートはユーザーがストレージ管理者の手をわずらわせることなく「いい状態のコピー」を迅速に復元することを実現します。エンドユーザー仮想マシンの保護ドメインからLeapへの移行はユーザーからは完全に透過的です。

 

NutanixのVMware vSphere向けメトロ可用性とCommvault Intellisnapの統合

ビジネスクリティカルアプリケーションは複数の障害イベント後のビジネスの継続のため、複数階層の保護および復元のオプションを必要とします。5.18ではVMware vSphere上でNutanix メトロ可用性で保護されているワークロードを更にCommvault Intellisnapでも保護することが可能になりました。ランサムウェア攻撃のような0-RPOのコピーが利用できないような場合にはCommvault intellisnapでバックアップされたコピーを利用してオフサイトからのリカバリができるようになりました。

 

Prism

AOS 5.18リリースより、Prism CentralはAOSとは別でリリースされるようになり、お客様向けの製品の開発速度と柔軟性を向上させます。新しいPrismのリリース、ライセンシングレベル、最新の改善についてはPrism Updatesのブログを参照してください。

 

 

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