COVID-19渦中でのITの役割

  • 27 April 2020
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本記事は2020年3月14日にNutanixのCIOそして、 QualysとSADA SystemsのBoard DirectorのWendy M. PfeifferがLinkedinに投稿した記事の翻訳版です。

原文はこちら

 

IT関係者は特殊な人種と言えるでしょう。例えば、私達は技術者やエンジニアという立場にあります。しかし、それよりもさらに幅広い視点も持ち合わせています。「技術は優れている」という考えを持つ傍ら、「その組み合わせは素晴らしい」という視点も同時に持っています。IT業界に約25年間身を置いてきた者として、私が断言できるのは、もし人々を支援したいという強烈な思いなくしては、私達が日々の業務を続けていくことは出来なかったということです。

 

言わば、私達はマーベル(Marvel)の漫画やDCに描かれる人々ような存在です。まるでスタートレックのコンベンションに参加して、新しい生命や新しい文明を探すという夢を実現する役割を演じているかのようです。ヒーローになりたいという私達の願望は、決して褒められたものではありません。しかし、滑稽なことに、私達はビデオゲームで身につけたスキルによって、エイリアンからの避け難い侵略から、いつの日か世界を救うことができるとさえ信じています。

 

もし今週、エイリアンがアメリカに侵略して来たら、私達をとても奇妙な連中だと感じるはずです。彼らは、強迫性障害 (OCD) を患った生物を発見したと思うでしょう。毎日きっちり同じ時間に起床し、仕切りに囲まれた迷路に潜り込んで、だらだらと移り変わる画面を凝視し、時々立ち上がっては誰と向かい合うわけでもなく、「ハッピ―バースデイ」をきっちり2度繰り返し歌いながら手を洗っているだけなのですから。

 

今週、毎晩のように長い時間をかけて帰宅する中、シリコンバレーの技術者やオタクが、この状況を大げさに騒ぎ立てているという、一部の専門家の憶測を耳にしました。私達は自宅で恐怖に怯え、多くのテクノロジー企業が、未知の恐怖のせいでオフィスを閉鎖しています。カンファレンスはキャンセルとなり、サービス業や原油価格、さらにサプライチェーンは崩壊の危機にあります。そこに居る専門家の方々にかわりに言わせてもらえば、とにかく私達は恐れているのです!しかし、それがカンファレンスをキャンセルしたり、在宅勤務をしたりしている理由ではないのです。

 

私達は「地域感染」の背後にある数学について熟知しています。私達は、スマートフォンを絶えず使用させてしまう、中毒性の強いソーシャルメディアアプリの考案者であり、皆様がタワーレコードで買い物をしている間に、皆様を追い抜いてしまった、デジタル・トランスフォーメーションの主体者でもあるのです。私達は、何かを「急速に拡散させる」ための科学を完全に理解しています。そして私達は、両親や祖父母にとって効果的なワクチンや治療法が見つかるまで世界が必要とするものを、既に持ち合わせているのです。

 

私達のようにITの世界に身を置く者は、必要であればアメリカの全ての人々が今すぐに使用することができ、新型コロナウィルスの感染から物理的に隔離された在宅勤務を可能にする、システム、ツール、プロセスを既に備えています。そして皆様がそれに倣うことによって、医療の専門家や科学者に対して、ワクチンを開発して広めるための十分な時間を提供することができるのです。言うまでもなく、これによって何千もの貴重な命を救うことができるのです。

 

在宅勤務は容易ではありません。管理者から離れているため、監視されることはありませんが、子供達による邪魔が入ったり、ビデオゲームや洗濯機の音が鳴り響く、騒々しい環境に置かれます。裸で会議に参加することも、昼寝をすることもできますが、パーティションで囲まれた楽天地とは対象的に、コラボレーションが上手くいかないかも知れません。約束や期限を守り、生産的であり続けることに苦労するかも知れません。私達が毎日行っている作業が気に入らなくなってしまう場合さえあります。それは、「オフィス」から華やかさや良い雰囲気が全て取り払われ、退屈で独善的な深みのない世界になってしまうということを意味します。

 

全ての人が在宅勤務となったら、アメリカ全土、

そして世界で一体何が起るでしょうか?

 

しかし幸いなことに、IT業界は既にそれを考えていました。しかも、考えるだけでなく、実践、作り出すということもしてきました。大規模に導入して、調整、統合し、セキュリティを確保してきました。事実、私達(IT)は、その方法でしばらく会社を運営してきました。既に何十年もの間、大規模かつグローバルな形での対話が可能となっています。最初にデスクサイドサービスを開始して以降、私達はインタラクションデザインやプロセスの選択、そしてユーザーフレンドリーな形態やコラボレーションの実現に頭を悩ませてきました。パブリッククラウドおよびプライベートクラウドのデータセンターを最初に構築したのは、私達ITなのです。電話を上手く機能させ、マシンをトレーニングするためのデータを収集し提供します。もちろん、バックオフィス業務を処理する古いシステムも、継続的に稼動させます。

 

皆さん家に戻りましょう!そして、私達ITが皆様のために何を構築したかを確認してください。インターネット経由で自宅のPCから仕事ができる十分なパフォーマンスが必要ですか?それならCitrixやFrame VDIを使いましょう。システムの拡張が必要ですか?NutanixやAWSを試してください。コラボレーションですか?私達はZoomやHuddl.aiが好みですが、皆様はWebexやSkypeも活用できます。「Slack」という名前のツールは、正にこの日のために開発された仕組みのように思えます。皆様が選択したテクノロジーと、機械学習のツールやプロセスが既に連携可能な場合もあります。また、利用の拡大に応じて、PrismProやZenOssといったツールを使って監視や管理を行ったり、Splunk上に構築した機能を使って自動化を図ることも可能です。ITが提供するソフトフォーンをご利用頂ければ、ご自宅の電話番号を外部と共有する必要もありません。

 

ITが新型コロナウィルスに打ち勝っていると言ったり、私達に偏執的ところは無いとは言い切ることはできません。実際に、私は今まさに自宅に戻って来て、食料品店のレジに並んだ際に、そこが少し混み合っていたのではないかと心配しているところです。ちょうど階段をかけ上って来たので、少し息切れがしていますが、上手くお話を切り出すことができたでしょうか?

 

恐ろしいことかも知れませんが、技術者やオタク、さらに社会不適合者であっても、全ての人々がヒーローと同じように、今、この歴史にその存在を刻まれていくのです。私達Nutanixについて言えば、「スケールアウトなテクノロジーを使った強固な基盤の上に会社を構築する」という先見性を持った人達だったとして、その名を刻んでいくことができるでしょう。Nutanixなら、治療薬が開発され、そして提供されるまで耐えることができる十分な時間を社会に提供できるのです。

 

「真の英雄は、誤って英雄になってしまっただけであり、

彼らが夢見るのは、他の人と同じように誠実な意気地なしになることだ」


--- Umberto Eco


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