皆様こんにちは。ヴィームソフトウェアの斉藤と申します。
Veeamに関するフォーラム寄稿の第4弾となります。
・Vol.1 Veeam Software会社紹介とラインナップ+ライセンス
・Vol.2 Veeamのバックアップについて
・Vol.3 Nutanix Mine "with Veeam"について
・Vol.4 クラウドやKubernetes環境のバックアップについて(今回のトピック)
Veeamのマルチクラウドアーキテクチャ
はじめにVeeamは「クラウド・データ・マネジメント」の名のもと、マルチクラウド環境下でのインフラマネジメントを推進していることを改めて共有させていただきます。
つまり、オンプレミスで稼働するワークロードのみならず「クラウドリフト」および「クラウドシフト」そして「モダナイゼーション」に対応するための支援をさせていただいております。今回はその3つを以下の観点でご紹介したいと思います。
・クラウドリフト:パブリッククラウド(AWS/Azure/GCP)への移行
・クラウドシフト:パブリッククラウド(AWS/Azure/GCP)上のバックアップ
・モダナイゼーション:Kubernetes 環境のバックアップ
クラウドリフト:パブリッククラウド(AWS/Azure/GCP)への移行
現在はクラウドの利活用が進み、開発環境や分析基盤をパブリッククラウドで運用するケースや、お客様によってはすべてのインフラをクラウドに移行するような場合もございます。いずれにせよ、現行のインフラ運用における最適解はオンプレ共存の「ハイブリッドクラウド」もしくは一歩進んでベンダロックインを避けるための「マルチクラウド」になります。
しかしながら、オンプレにある環境をパブリッククラウドに移行する場合は適切なパブリッククラウドの選定だけでなく、パブリッククラウド上で既存インフラが稼働するかどうかの動作確認が事前に必要となります。その場合、一旦クラウドにシステムを移し替えるための準備や手間が必要となるため、運用者にとっての負荷増は否めません。
その際、Veeamをお使いのお客様であれば「クラウドモビリティ」によりバックアップデータから直接パブリッククラウドにリストアすることが可能です。
・Restore to Amazon EC2: バックアップをAmazon EC2に変換してリストア
・Restore to Microsoft Azure:バックアップをAzure VMに変換してリストア
・Restore to Google Compute Engine※:バックアップをGCEに変換してリストア
※Veeam Backup & Replication v11aで対応予定
そのため、オンプレミスで稼働しているインフラを3大パブリッククラウドに移行するプロジェクトが始まった場合、インフラ検討段階からすぐにバックアップデータを使ったCloud Mobility により各インフラの評価が可能になります。
クラウドモビリティで対応しているバックアップは、仮想環境 (ESXi/Hyper-V/AHV) のみならず、物理環境や別のパブリッククラウドにも適用できます。
クラウドシフト:パブリッククラウド(AWS/Azure/GCP)上のバックアップ
クラウドリフトが行われると今度はシフトするための運用が必要となります。しかしながら、マルチクラウド環境が普及して参りますと、旧来のオンプレミスでのインフラ同様様々なサービスが乱立してまさにサイロ化した状況がやってまります。
もちろん、各社データ保護のサービスを出しているのですが運用がバラバラとなり習熟するための工数が非常にかかります。そこでVeeamがリリースしたサービスが、「Veeam Backup for Public Cloud (AWS/Azure/GCP)」になります。
このソリューションにより、各パブリッククラウド間の運用の際を吸収し単一のインターフェースでバックアップ運用が可能となります。
また、バックアップアーキテクチャも各ベンダに併せつつ、共通のアーキテクチャを導入しているため、同一の品質を維持することが可能となっています。
各ソリューションはMarketplaceからデプロイでき、かつライセンスは既存のVUL (Veeam Universal License) を適用できますので是非お試しください。10インスタンスまでのお試し利用は無償でご利用できます。
モダナイゼーション:Kubernetes 環境のバックアップ
さて、クラウドシフトその先を考えるとインフラリソースの更なる効率的が必要となって参ります。そこで、近年まではDockerをはじめとしたコンテナ化がその役割を担っていましたが規模が拡大するにつれ、複数のコンピュート環境でのコンテナ「運用」を円滑に行う必要があり、「コンテナオーケストレーション」という選択肢がでてまいりました。
そのコンテナオーケストレーションにおける市場競争で現在デファクトスタンダードとなったのがKubernetesになります。Kubernetes自体は2014年にGoogleが社内プロジェクトである「Borg」をLinux Foundationに譲渡しオープン化したものになります。
Kubernetesの市場浸透がすすみ、ついにパブリッククラウド上でも元祖KubernetesのGKEをはじめとして、2018年にAWSがEKS、AzureがAKSをGAしてKubernetes自体の市場競争に入ってまいりました。
Kubernetesの市場浸透が進みますと課題も顕在化し、「ステートフル」環境のデータ保護が近年課題となってまいりました。
もともとコンテナの運用は状態を持たない「ストレース」だったにも関わらず、Kubernetes化したことで、コンテナに付帯する情報が永続データをはじめとしたPV/PVCはもとより Service/Ingress や Configmap/Secretといった属性情報をアプリケーションとして保持する必要が出てきたわけです。
そういった課題を解決するためにVeeamは2020年10月にKasten社を買収し、Kasten社が提供する Kasten K10 をKubernetes 対応バックアップソリューションとしてリリース致しました。
Kasten K10は運用者が使いやすくするための、GUI実装はもちろんですが、アプリケーションの自動認識やポリシーによる自動化、そしてエンタープライズ用途にも対応できるようなセキュリティの実装を既に行っております。
そして、最大の特徴はアプリケーションの整合性を確保したバックアップをオープンソースのKanisterと連動して取得できるようにする仕組みを導入している点が挙げられます。コンテナ化によりリソースが効率的に使えるようになったとしても、大事なデータがクラッシュリカバリであっては、復旧時の整合性が保証できないためビジネス用途にはあまり適しません。
Nutanixにおいても、既にNutanix Ready を取得しております。
そして、Nutanixでは8月11日にRedhat社との戦略的パートナーシップも発表されましたので、Nutanix x Openshit with Kasten でのご提案も是非ともご検討いただければと存じます。
※NutanixとRedhat社との戦略的パートナーシップの詳細は以下でご覧いただけます。
https://www.nutanix.com/jp/press-releases/2021/red-hat-and-nutanix-announce-strategic-partnership
https://www.nutanix.com/jp/blog/red-hat-and-nutanix-partner-to-deliver-big-on-hybrid-cloud