NutanixはPrismからESXiをアップグレード(またはパッチのアップデート)する機能を提供しており、サービス無停止でローリングアップグレードすることが可能です。
この機能を利用するための代表的な要件として以下の2つがあります。
- vSphere DRSが有効
- vSphere HAのアドミッションコントロールを無効化(アップグレード中のみ)
これらの要件は、PrismからESXiアップグレードを実行した際に、プリチェックとして自動で検証されます。
例えば、vCenterでDRSを無効化していたり、「一部自動化」の状態で有効化していたりする場合は、プリチェックの時点で以下のようにエラーとなりESXiアップグレードは実行されません。
これは、自動ローリングアップグレードプロセスの中で、DRSが「完全自動化」でない場合、アップグレード中のESXiがメンテナンスモードに切り替わっても、仮想マシンが他のノードへ自動で退避できないためです。
また、HAのアドミッションコントロールが有効化されている場合も、プリチェックの時点で以下のようにエラーとなりESXiアップグレードは実行されません。
これも、vSphere側の機能でリソース使用量に制約を適用するため、仮想マシンが移行できない場合が発生するためです。
これらは、DRSやHAを適切に設定すれば問題なく機能します。NutanixのドキュメントではPrismからのESXiアップグレードの要件として「DRSが有効になっていること」と明記されていますが、細かく言うと「完全自動化」で有効化されていることです。
ESXiアップグレードの要件については以下ドキュメントをご参照ください。
VMware ESXi Hypervisor Upgrade Recommendations and Limitations