本記事は2019年4月16日にMichael Haigh氏とMaryam Sanglaji氏が投稿した記事の翻訳版にNutanix Solutions Architect - AutomationのSho Uchidaが一部改編を加えました。
原文はこちら。
あなたの組織は取り残されていませんか?
DevOpsの手法を採用する組織が増えてきており、成功している組織は同業他社よりも競争上の優位性を得ていることが明らかになってきています。2016年のState of DevOpsレポートの次のような結果を考えてみましょう。"業績の高い組織は、開発スループットの面で業績の低い同業他社を決定的に上回っています。業績の高い組織は、業績の低い組織の200倍の頻度でデプロイを行い、リードタイムを2,555倍に短縮しています。また、リカバリが 24 倍速く、変更の失敗率が 3 倍低くなっており、業績の低い組織を大幅に上回り続けています。"
しかし、このような変化は一夜にして起こるものではありません。それには通常、劇的な文化的シフト、従前とは異なるアプリケーションアーキテクチャ、そして高度な自動化が必要です。最も成功しているDevOps組織は、「クラウドネイティブ」アプリケーションを採用しています。これは、オープンAPIを備えた疎結合のマイクロサービスであり、伝統的に高度な自動化機能を備えたパブリッククラウドインフラストラクチャ上に展開されています。2017年のState of DevOpsレポートでは、「疎結合のアーキテクチャとチームは、継続的なデリバリ実現に向けた最強の武器である」ことが明らかになっています。より高いITパフォーマンスを実現したいのであれば、緩く結合されたサービス、つまり互いに独立して開発・リリースできるサービスと、変更を行う権限を与えられた緩く結合されたチームへの移行を開始しましょう。疎結合なチームとサービスのメリットは、スループットの向上、品質と安定性の向上です。
従来、クラウドネイティブアプリケーションを成功させるために必要なインフラストラクチャは、パブリッククラウドに限定されていました。しかしながら、この常識はもう通用しません。管理者はNutanix Cloud Nativeを使用することで、開発者が次世代のアプリケーションを構築できるようにするために必要なインフラを、すべてプライベートデータセンター内で提供することができます。Nutanix Cloud Nativeには、ワンクリックによるネイティブKubernetes、ソフトウェア定義のスケールアウト型ファイル、ブロック、オブジェクトストレージサービス、アプリケーションのマーケットプレイスおよびサービスとしてのデータベース(DBaaS)が含まれており、アプリケーションの開発、配信、運用を自動化し、加速化します。これらの機能をすべて単一のプラットフォームで提供するオンプレミスソリューションは、現在の市場には他にありません。
Nutanix Cloud NativeはオープンAPIで構築されているため、開発者が新たに学ぶ必要のあるツールはありません。パブリッククラウド用に書かれたクラウドネイティブアプリケーションは、コードを変更することなく、Nutanix Cloud Native上で実行されます。これは、全く同じアプリケーションをオンプレミスで実行し、パブリッククラウドにスケールアウトして弾力的に実行するために使用できることを意味します。さらに、クラウドネイティブアプリケーションのテストやデプロイメントを高速化するために書かれた自動化コードは、Nutanix Cloud Nativeとパブリッククラウド間で移植可能です。
Nutanix Cloud Nativeは、DevOpsの手法と組み合わせることで、クラウドネイティブアプリケーションを提供するために必要なインフラストラクチャの専門知識がなくても、スループットを向上させ、リードタイムを短縮し、本番での失敗率を低減することで、競合他社に先んじることを可能にします。Nutanix Enterprise Cloudは、広範なツールと自動化により、あらゆるタイプのワークロードを実行するための完全なプラットフォームを提供します。Nutanix Cloud Nativeを使用することで、開発者は、スケールアウトしたアプリケーションの迅速な開発と管理に必要なオンプレミスの信頼性の高いツールと自動化を利用することができます。これには、Kubernetesクラウドクラスタのシンプルかつ高速なデプロイメント、信頼性の高いスケールアウトした永続的なストレージが含まれており、Nutanix HCIプラットフォームを使用してクラウドのようなシンプルさで提供されます。ここでは、Nutanix Cloud Nativeソリューションで提供されているテクノロジーをそれぞれ見てみましょう。
Nutanix KarbonでシンプルになったKubernetes
Nutanix Karbonは、Kubernetesのプロビジョニング、運用、ライフサイクル管理を簡素化するエンタープライズグレードのCNCF認定Kubernetesディストリビューションです。Cyxtera社はKarbonのTech Previewの顧客の1社であり、Karbonはすでにビジネスの俊敏性を大幅に向上させています。SREチームのシニアディレクターであるZach Hilliard氏によると、「Nutanix Karbonを活用することで、Nutanix上にKubernetesクラスタをわずか数分でデプロイできるようになりました。Karbonを導入する前は、このプロセスは複雑で面倒で、非常に時間のかかるものでした。今では、ビジネスの俊敏性を高め、開発者のコンテナリクエストにオンデマンドで対応できるようになりました。」
- Kubernetesプラットフォームの簡単なデプロイ
- Karbonは、開発用と本番用のKubernetesクラスタの両方をサポートしており、ユースケースに柔軟性を持たせることができます。本番用クラスタは、あらゆるエンタープライズアプリケーションの要件であるマルチマスターとマルチETCDの両方を備えた高可用性(HA)クラスタです。
- 一般的に、Kubernetesの最も困難で重要な側面の1つは、永続的なストレージです。すべての Karbon Kubernetes クラスタは Nutanix CSI (Container-Storage-Interface) ドライバがデプロイされた状態で展開されます。これによりNutanix VolumesおよびNutanix Filesとネイティブに統合され、永続的なストレージを簡単に提供します。
- Kubernetesプラットフォームの簡単操作
- 統合されたネットワーク、監視、ロギング、アラートは、どのようなKubernetesプラットフォームを運用する上でも非常に重要です。Karbonの素晴らしさは、シンプルさと効率性を維持しながら、このスタック全体をシームレスに統合していることです。
- いわゆるDay2運用フェーズは、組織のデジタルトランスフォーメーションを成功させるために非常に重要です。エンタープライズアプリケーションを実行している場合、KarbonのコントロールプレーンとKubernetesクラスタを構成するノードのオペレーティングシステムのゼロダウンタイムでのアップグレードは非常に重要です。さらに、Kubernetesワーカーノードの数をオンデマンドでスケールアップしたり、スケールダウンしたりできることが不可欠です。Karbonは、これらの操作をシンプルかつ効率的にします。
Nutanix Objectsを使ったクラウドネイティブアプリケーションのためのシンプル、セキュア、スケールアウトなオブジェクトストレージ
Nutanix Objectsは、ソフトウェア定義のオブジェクトストレージソリューションであり、全体的なコストを削減しながらスケールアウト型アーキテクチャを実現します。Objectsは、S3と互換性のあるREST APIインターフェイスで設計されており、テラバイトからペタバイトの非構造化データを扱うことができ、バックアップ、長期保存、DevOpsのユースケースに最適です。Objectsを利用しているお客様は、消去コーディング、圧縮、重複排除をネイティブに活用して、リソースの利用効率を最適化することができます。
- 導入が簡単
Objectsでは、Nutanixの有名なワンクリックのシンプルさにより、増え続ける非構造化データのフットプリントを容易に管理します。Prismインターフェイスを使用することで、顧客は予測可能な方法でストレージ使用量の成長を計画し、基礎となるデータから洞察を得ることができます。
- 統合されたIAMによる安全性:
Objectsは、Nutanixスタックに、個々の開発者、チーム、組織用にカスタマイズ可能なIdentity & Access Managementポリシーを追加します。
- 単一のネームスペースでストレージをスケールアウト:
Objectsを使用することで、お客様は1テラバイトの小さなオブジェクトストアから使用開始し、同じネームスペースとパフォーマンスを維持したまま数ペタバイトにスケールアウトすることが簡単にできます。すべてのデータは、ネイティブの鍵管理サービスで暗号化された状態で保存できるため、サードパーティのコストや複雑な管理を避けることができます。
Nutanix Eraによるエレガントで効率的なワンクリックデータベース操作
Nutanix EraによりNutanix Enterprise Cloudはデータベース運用のための理想的なプラットフォームとなります。Nutanix Eraは、データベース管理を自動化・簡素化するソフトウェアスイートで、データベースのプロビジョニングとライフサイクル管理(LCM)にワンクリックのシンプルさと目に見えない操作をもたらします。Nutanix Eraは、ワンクリックでデータベースのプロビジョニングとコピーデータ管理(CDM)を最初のサービスとして提供し、データベース管理者(DBA)は任意の時点でデータベースのプロビジョニング、クローン作成、リフレッシュ、リストアを行うことができます。APIファーストのNutanix Eraアーキテクチャは、お好みのセルフサービスツールと簡単に統合することができ、すべての操作は一意のIDを持ち、監査のために完全に可視化されています。さらに重要なことは、このAPIファーストのアーキテクチャにより、開発者は好みのデータベースにオンデマンドでアクセスできるため、クラウドネイティブアプリケーションの開発に俊敏な環境を提供することができます。
- ワンクリックでデータベースのプロビジョニング
Eraでは、DBAがデータベースサービスの標準カタログを作成することができます。DBAは、データベースエンジン用のゴールドプロファイルを作成し、コンピュート、ネットワーク、データベースパラメータのサイジングを標準化することができます。Eraは、データベースをクラウドレディとし、可搬性を提供し、データベースのクローンコピーを即座に作成する機能を提供します。
- データベースコピーデータ管理
Eraの目玉機能であるTime-machineは、任意のサービスレベルアグリーメント(SLA)のすべてのデータベースの状態をキャプチャし、DBAは完全に機能するデータベースコピーを作成するだけでなく、既存のコピーをリフレッシュすることができます。タイムマシンの洗練された技術は、データベースを保持し、迅速かつ正確にデータベースをパワーアップさせます。
Nutanix Calmによるアプリケーションマーケットプレイス
Nutanix Calmはマルチクラウド対応のインフラストラクチャ、アプリケーション構築、ライフサイクル管理の自動化/セルフサービス化を実現しつつ、エンタープライズのIT環境に求められるポリシー、コスト、ガバナンスといった要件にも対応可能なクラウド管理プラットフォームソリューションです。従来のITサービス提供にも、DevOpsユースケースにもご利用可能です。Nutanix Calmで生成されるブループリントやアプリケーションといったリソースは全てオープンなAPIベースで制御することが出来、ITサービス管理システムのワークフローやCI/CDパイプラインから呼び出すことが可能です。
- NutanixマーケットプレイスによるセルフサービスITの実現
Nutanix Calmの提供するマーケットプレイス機能は、いわば”ITサービスの自動販売機”です。単一の仮想マシンを提供するシンプルなIaaSサービスから複数のアプリケーションからなるCI/CDパイプラインを構成するツール群、そしてNutanix Karbonを始めとするKubernetesクラスタへのコンテナプロビジョニングまでをワンクリックで行えるプラットフォームを提供します。マーケットプレイスのアイテムを”ブループリント”と呼びます。Nutanix Calmのリリース毎にNutanixによって動作検証された状態で出荷される”Pre-seeded”ブループリントをそのままご利用頂けるほか、”Pre-seeded”ブループリントをクローンして組織の要件に基づきカスタマイズしたブループリントも作成可能です。
- オープンなAPIとプラグイン提供
Nutanix Calmが提供するブループリントやマーケットプレイスアイテム、ブループリントから作成されたアプリケーション等のリソースには全てAPIのエンドポイントが公開されます。このAPIをご利用頂くことでServiceNow等のITサービス管理ツールが提供するワークフローや、Jenkins等のCI/CDパイプライン管理ツールが提供するパイプラインとNutanix Calmを連携することが可能です。またServiceNowとJenkinsについてはNutanixから公式のプラグインを提供しており、それぞれのプラットフォームにおける開発者にとってNutanix Calmとの連携が容易となるような環境をご提供しています。Calm自身も従前のGUIベースだけではなく、CLIベースかつPythonによるブループリント開発が可能となっています。
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