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Nutanix AOS 5.9は遡ること2018年10月にリリースされ、そのフォーカスは、より機能を増したソフトウェアベースの暗号化で既存のクラスタ内のデータをセキュアにすることや、ラックの障害に対応するためのアベイラビリティゾーンの機能向上、更にはDRのためのニアシンクへの機能向上でデータの保護や弾力性についてのものでした。
それ以降、我々Nutanixは絶え間なくNutanix HCIプラットフォームのコアを強化すべく活動を続け、AOSの5.10と5.11をリリースしました。AOS 5.10は2018年の12月にリリースされたもので、今回はAOS 5.11のリリースとそれがポータルからダウンロードできるようになったことをお知らせできることを大変喜ばしく思います。
この2つのリリースは共にコアであるAOSのストレージパフォーマンス、ストレージキャパシティ、データ保護、セキュリティ、そしてクラスタのライフサイクル管理機能を向上させるものです。今回の記事では主な機能のうちのいくつかを取り上げたいと思います。機能向上についての完全なリストについてはリリースノートをご参照ください。
パフォーマンスと拡張性
ストレージQoS
Nutanix AOSのアーキテクチャにはすでにノイジーネイバー(やかましいお隣さん)から保護のためのQoSの機能が組み込まれています。AOS 5.11では、エンドユーザーによるストレージのサービス品質(QoS)のコントロールが可能となり、Nutanixのクラスタ管理者によるクラスタ内の選択した仮想マシンについてのIOPSの速度制限(スロットル)が可能となっています。5.11のストレージQ0Sはミッションクリティカルなワークロードについての想定通りの一貫性というエンタープライズのITにとって重要な目的を達成できるようにしました。特定の仮想マシンについての速度を制限することで、さほど重要ではないワークロードからミッションクリティカルなアプリケーションがパフォーマンスについての影響を受けることを妨げることができます。ワークロードの統合を行っているサービスプロバイダもしくは大企業にとって、QoSは全てのテナントもしくはワークロードに一貫したエクスペリエンスを提供し、ビジネスに向けたSLAを定義、そしてそれを遵守する手助けとなります。
自律エクステントストア (Autonomous Extent Store - AES)
コアAOSアーキテクチャにおいて、特筆すべき進行中のイノベーションがあります。AOS 5.10で日の目を見たこうしたイノベーションの一つが自律エクステントストア(Autonomous Extent Store - AES)で5.11では更に機能向上されています。NutanixのAOSアーキテクチャはデータローカリティの効果で広く知られています。AESはメタデータにローカリティを導入し、高速なアクセスの実現のためにメタデータのコピーをローカルに維持することでこのコンセプトを更に推し進めようとしています。メタデータのローカリティはネットワークの利用率の改善、CPUの利用率の低減、ディスクへのWriteの低減に繋がります。継続するランダムWriteとランダムReadが行われるワーキングセットの大きなデータベースのような特定のワークロードではパフォーマンスへの効果は劇的なものです。
AES は NVMeや3D X-Pointや大容量のキャパシティのような新しいメディアのテクノロジーへと我々がギアを上げてゆくAOSの継続的なイノベーションサイクルの一部としてご提供いたします。
ストレージキャパシティの改善
大容量のキャパシティについて言えば、AOS 5.11ではノードあたり120TBのストレージキャパシティのサポートも開始します。お分かりのとおり、AOSは継続的にオールフラッシュだけではなくハイブリッドにおいても、そしてパフォーマンスだけでなくキャパシティにおいてもより広範なサポートを提供しつつあります。データ保護とセキュリティ
ビジネスの継続性とデータ復元
増え続ける非構造化データのユースケースに向けたNutanix ObjectsがAOS 5.11と共に一般提供開始されます。Nutanix ObjectsはCommvault、Veritas NetBackup、Veeam、HYCU、Unitrendsや他のバックアップソリューションのターゲットとして利用することができます。ObjectsはS3-互換のREST APIインターフェイスを利用して数テラから数ペタにも及ぶ非構造化データを全て単一のネームスペースで取り扱えるように設定されています。DR ランブック
DRランブックオートメーションは直ぐに利用ができる組み込みの機能としてAOS 5.10から提供開始されました。データ保護と復元をシンプルにするため、我々は保護ポリシーとリカバリプランを5.10のリリース時にPrism Centralに追加しました。これはいかに役立ちます:● データ保護とレプリケーションを規模にかかわらず自動化
● 災害対策に対する備えの保証と想定通りの動作を提供
保護ポリシーはアプリケーション保護に対する目標復旧地点(RPO)やリテンションなどのビジネス要件を定義するための強力な概念です。ポリシーはPrism Central内のカテゴリを利用して作成されます ― 仮想マシンにタグやラベルを付けるのと同じで、非常に簡単です。
アプリケーションをデータセンタ障害時もしくは生涯無害化時にどのように再起動するのかをコントロールするためのリカバリプランもUI上で作成することができます。リカバリプランは仮想マシンの起動順序、仮想マシンのグループ間の依存関係、IPアドレスのマッピングなどの情報を含んでいます。
最後に、1-クリックで非破壊的DR検証を実施することができます。これは保証を提供するだけでなく、必要なコンプライアンスに準拠するためにも役立ちます。イベント発生時に、1-クリックフェイルオーバーとフェイルバックを実行することができるのです。DRランブックの最も優れているポイントはAHV(5.10)だけではなくESXi(5.11)ハイパーバイザーもサポートされていることです。
最後に、広範なエコシステムをサポートする一環で、5.11以降、VMware SRMがNutanixのニアシンクレプリケーション機能でもサポートされました。
Volumes向けのネットワークセグメンテーション
AOS 5.11ではブロックストレージ(ヴォリュームグループ)のNutanixクラスタ外へのトラフィックを物理的に隔離し、別の物理ネットワークへ分離することができます。これによってクラスタ上の特定のトラフィックを特定のポートに隔離することができ、選択的にネットワークポリシーを適応できるため、ネットワークセキュリティ要件を満たすことができます。クラスタの運用と管理
Prismの意図を汲み取る管理
モダンなウェブアプリケーションはよりリッチで複雑な機能をサポートするようになっています、それを支える情報アーキテクチャとナビゲーションに関するメカニズムは更に複雑になっています。サーチはこうした規模に応対するための強力なツールです。AOS 5.10でサーチとナビゲーションはPrism Centralにシームレスな概念として統合されました。クリックベースのナビゲーションも残してありますが、より効率的なサーチベースの手法でのコンテンツへのアクセスが導入されました。この新しいアプローチによって、慣れ親しんだクリックベースのシステムとのやり取りによってユーザーは自身のアクションをサーチを利用して確認することができ、その機能を学ぶことができます。
X-Play (Cross-Play) for Prism Pro
AOSのユーザーにはNutanixのIT運用ツールであるPrism Proはすでにおなじみのものです。これまで、Prism Proの機械学習ベースの不具合検知やジャスト・イン・タイムのフォーキャスト機能はチームにシンプルさと高いIT運用の生産性を実現できるだけの正確性をもたらしてきました。5.11では我々はPrism ProにX-Play(cross-play)を導入しました。これはITのメンバーがよくある問題の自動的な修復や、パフォーマンスやキャパシティの最適化のためのルーチンタスクを自動化するためのタスク自動化エンジンです。X-Playを利用すると、ITチームはよくある問題についてのプレイブックを作成することができます。これらのプレイブックをアラートポリシーをベースに自動的に呼び出すことができます。
皆様が使い始めるために事前に用意された通知、仮想マシン管理、レポート、スケジュールのための標準のアクションがデザインライブラリとして用意されています。また、REST APIとスクリプトアクションを含めることができ、既存のツールやシステムと接続することも可能です。
AHVのイメージ管理機能の向上
環境が大きくなるに連れて、多くの様々なワークロードが利用されるようになり、イメージ管理についてのニーズも大きくなってきます。我々のお客様は様々な混在ワークロード環境に向けてクラスタを構築・展開していますので、こうしたアプリケーションのためのディスクイメージが常に正しい場所で利用できること保証してくれるより良い方法を探しておられます。Prism Central 5.11では、イメージサービスにイメージ管理ポリシーを導入し、新たなディスクとアプリケーションのイメージの管理方法を提供するようになりました。こうしたポリシーはイメージのレプリケーションとクラスタの場所を管理するために利用することができます。PCの多くのポリシーベースの機能で利用されているPCのカテゴリモデルを利用し、クラスタとイメージをグループ化することでこれらのグループがイメージを利用できることを保証し、イメージを適切な場所に届けることができます。加えて、ダイレクトイメージアップロードのための新しいオプションが加わり、管理者は迅速にイメージをあらゆるクラスタへと展開できるようになりました。
アップグレード
最後に、AOS 5.11にはアップグレードのエクスペリエンスを向上させるための膨大な努力が詰め込まれており、既存のシンプルさをさらに向上しています。コアの強化とともに事前チェックとUIからそれを判断させるためのメッセージの表示を追加しています。1-クリックとLife Cycle Manager(LCM)の両方はソフトウェアとファームウェアのアップグレードを完全にインビジブルなものであることを保証します。まとめ
AOS 5.10と5.11によって我々はNutanix Enterprise Cloudのコア上でのイノベーションを継続しています。新しい機能によってお客様はミッションクリティカルなワークロードをSLAとポリシーへの準拠を確かにしながら、運用の効率性とシンプルさを備えたインフラストラクチャ上で動作させることができます。Nutanixについてまだご存じないのであればぜひ info@nutanix.com へメッセージを送ってください。是非Nutanix Enterprise Cloudプラットフォームをご紹介させていただきます。
