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NutanixにおけるRocksDBの活用

本記事はRaghav Tulshibagwale氏が 2021年3月10日に投稿した記事の翻訳版です。原文はこちら。  本日の記事では、また新たなゲストライターを紹介させていただきます。皆さん、Nutanixのスタッフエンジニア、Raghav Tulshibagwaleにご挨拶を!本日の記事では、継続的なシリーズの第1弾として、Raghavが私たちをNutanixにおけるRocksDBの旅へと案内してくれます。そしてRocksDBがNutanixプラットフォームアーキテクチャの様々な側面にどのように適用されているのかをご紹介します。私がRaghav自身よりもうまく説明することは到底できませんので、さっそく始めましょう! はじめに2016年初めのアーキテクチャ検討会以来、Nutanixエンジニアチームは、分散ストレージファブリックの3つの大きな目標、すなわち、持続的でランダムな書き込み性能の向上、大容量ディープストレージノードのサポートの追加、バックグラウンドでのデータ管理の効率化に取り組んできました。これらの目標を明確にし、詳細を詰めていくうちに、私たちの限界要因はアーキテクチャ自体にあることに気づきました。さらに改善し、将来のスケーラビリティ(拡張性)のニーズに対応するには、Nutanixでのメタデータの保存方法を完全に再構築する必要がありました。メタデータをデータに近づけるという私たちの最大の目的には、メタデータを保存するための新しい基盤コンポーネントが必要でした。すでにうまく機能しているシステムに、まったく新しいコンポーネントを導入するのは、リスクの高い試みです。最終的にオープンソースのキーバリューストア(KVS)であるRocksDBを選択しましたが、これはあらゆる選択肢を調査し、それぞれの潜在的なコストと効果を考慮した結果です。オープンソースのソリューションが、十分な信頼性と耐久性を持ち、私たちのチームが数カ月で十分なノウハウを身につけ、そのコンポーネントを本当に自分たちのものにできるのかを確かめたかったのです。このブログシリーズの最初の記事では、専門用語、自律エクステントストア(AES)プロジェクトの全体要件、新しいコンポーネントの選択基準、エクステントストア用のRocksDB展開の概要、現在RocksDBを使用している他のNutanix製品およびコンポー

ChakrDB:クラウド上に誕生した分散型RocksDB、その2

本記事はAnoop Jawahar氏 および Sandeep Madanala氏が 2021年10月4日に投稿した記事の翻訳版です。原文はこちら。  このシリーズのパート 1では、RocksDBをベースに、数十テラバイトから数ペタバイトまでのスケールに対応する分散型の、クラウドネイティブな、高い可用性を備えた、高性能なキーバリューストア(KVS)を新たに実装するに至った経緯について述べてきました。この記事では、ChakrDBの概要とその特徴、アーキテクチャの詳細について説明し、パート 1で提示した要件の達成にどのように役立ったかをまとめます。 概要ChakrDBは、分散型のNoSQL KVSです。ChakrDBインスタンスは、複数の仮想ノード(vNode)が組み込まれた単一プロセス、コンテナ、ないしはポッドです。各仮想ノード(vNode)は独立したKVSで、クラスタ内のシャードを所有し、すべてのデータをリモートクラウドストレージ(ボリューム、Nutanix仮想ディスク、またはAWSやAzureなどのクラウドによって提供される任意の仮想ディスク)に書き込みます。vNodeはKubernetes(K8s)が展開したext4ファイルシステムベースのボリュームとNutanixの内部ファイルシステムであるBlockStoreのいずれもをサポートしています。BlockStoreは物理ディスクとNutanixの仮想ディスクを含む様々なタイプの基盤ストレージをブロックベースの抽象化によってサポートします。ブロックベースのファイルシステムにより、vNodeはストレージファブリックと直接対話し、iSCSIよりもext4を使用することで余分なオーバーヘッドを回避し、スループットとレイテンシーを約50%向上させることができます。 ChakrDB の主な特徴完全な自在性と柔軟性ChakrDBには、仮想ノード(vNode)に基づくシャーディングデザインが採用されています。仮想ノード(vNode)は、高いスループットとテールレイテンシの改善でリニアなスケーラビリティを実現します。各仮想ノード(vNode)はRocksDB上で動作するラッパーであり、それ自体でKVSスタック全体を保有するため独立性が高く、データの移動と配置に柔軟性を提供します。仮想ノード(vNode)ベースの設計により、クラスタは

ChakrDB:クラウド上に誕生した分散型RocksDB、その1

 本記事はAnoop Jawahar氏 および Sandeep Madanala氏が 2021年10月4日に投稿した記事の翻訳版です。原文はこちら。  歴史、背景、動機Nutanixクラウドオペレーティングシステムは、Webスケール、スケールアウトな設計を通じて、高可用性、レジリエンス、障害無害化能力とともに、包括的なストレージとコンピュートの仮想化を提供し、オンプレミスのデータセンターでパブリッククラウドのエクスペリエンスを、提供しています。当社のソフトウェアの基盤となる2つの主な技術は、Nutanixの分散ストレージと、コンピュート管理のためのKubernetesベースのマイクロサービス・プラットフォーム(MSP)です。あらゆるパブリッククラウドサービスで同じようなテクノロジーを利用することができます。例えば、ストレージであればAmazon Web Services(AWS)のElastic Block Store(EBS)やAzureのマネージドディスク、コンテナのオーケストレーションであればAWS Elastic Kubernetes Service(EKS)、Azure Kubernetes Service(AKS)、Google Kubernetes Engine(GKE)などが挙げられます。 今日の分散型データベースやデータサービスは、こうしたクラウドインフラストラクチャーの構造を活用することで、より軽量で先進的なものになります。また、モダンなデータアプリケーションは、あらゆるパブリッククラウドやプライベートクラウドで実行できるように、一定の原則に従う必要があります。アプリケーションをクラウド対応にするには、通常、オープンソースのAPI標準へ準拠したり、標準化されたiSCSIストレージをエンドポイントとしたり、インフラストラクチャ運用管理用のKubernetes(K8s)のようなオープンコンテナオーケストレーションフレームワークが必要です。 Nutanix ObjectsチームがChakrDBとの協業を開始したとき、Nutanixの開発チームは当社のクラウドOS上のストレージサービスを作成していました。Nutanix Objectsは、非構造化データ向けのS3準拠のハイブリッドクラウドストレージで、クラウドの構造を活用できるよう構成されています。クラウ

単一仮想ディスクの性能の改善について

本記事はHarshit Agarwal氏 と Gary Little氏がNutanix.Devに2022年4月20日に投稿した記事の翻訳版です。原文はこちら。 はじめにNutanix分散型ファイルシステム(NDFS)上では、仮想ディスク(vDisk)はクライアント(仮想マシンまたはコンテナ)がディスクの形態で利用できる、フラットな論理ストレージ空間です。このようなvDiskが各ノード上に複数存在し、I/Oを行うことで、クラスタの全リソースを効率的に利用できるようにシステムが設計されています。ですが、ユーザーのワークロードが、複数の仮想ディスク(vDisk)にまたがらない場合もあります。例えば、顧客がNutanixのハイパーコンバージド・プラットフォームに少数の巨大ボリュームを持つレガシー3層構成から移行したい場合、利用できるリソース(CPU、ディスク帯域、メモリ)があっても、ストレージサービスは最大のパフォーマンスを提供できない可能性があります。このようなユースケースは、リフト&シフトのワークロードに限らず、以下のシナリオでも単一仮想ディスク(Single vDisk)のパフォーマンスが重要である考えてきました。アプリケーションが複数ディスクの使用をサポートしていない場合。 PoC時のベンチマーク・シナリオで、従来のシステムとNutanix HCIの仮想ディスクのパフォーマンスを比較する場合。 課題AOSのストレージは、Stargateと呼ばれる各々の仮想ディスク(vDisk)に対してコントローラーを保持するプロセスですべてのI/Oを管理しています。ワークロードでランダムにデータの読み取りを実行している間に、仮想ディスク(vDisk)コントローラは、CVM内の使用可能なCPUのキャパシティをすべて利用することはできず、単一のCPUへ制限されていました。仮想ディスクコントローラーは、設計段階でシングルスレッドとなっています。これによって、仮想ディスクコントローラーのコードをシンプルなまま、効率的に、vDiskをロック状態にすることなく、全てのデータ構造にアクセスできるからです。システム全体としての性能はvDiskの数によって拡張されますが、1台のvDiskの性能自体は単一のCPUコア/スレッドの性能によって制限されます。 ソリューションこの課題を克服するためには、単一

Nutanix OEMパートナープラットフォーム紹介

Nutanixを NXだけでなくHPEやDellなど、皆さんの環境にある様々なサーバでお使いいただけることはご存知だと思いますが、OEMパートナーである Lenovo及び富士通環境についてご紹介します。・Lenovo HXシリーズ https://www.lenovo.com/jp/ja/p/WMD00000326エッジ環境向けモデルを含む豊富なラインナップが特徴で、OEMアプライアンスとHWとSWを分離した認定ノードでご利用できます。LenovoのDCSCツールでHXのHW構成やサポート及びサービスも柔軟に組むことができます。VDIやSAPを含む大手お客様環境の事例や病院への導入も多く、様々な環境へご検討いただけます。 ・富士通 XFシリーズ https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/integrated-systems/virtual/primeflex-nutanix/スモールスタートに適した 1CPUモデルや、中規模環境向け、大規模環境向けの高密度モデルなどお客様環境に応じたモデルを提供しています。認定ノードとして利用いただけますが、日本語による24時間365日対応するワンストップサポートも提供されています。MoveやFilesなどもお客様ご利用実績があり、検証情報にもとづく情報提供や導入時の支援、セミナーにおいて使い方の紹介も行われ、アセスメントサービスなどもあり、エンタープライズ環境への導入は定評があります。いずれの環境においても評価環境もご用意され、Nutanixを初めて検討される方や試してみたいという方に対するご支援もありますので、各社のご相談窓口よりお気軽にお問合せください。Nutanixでご利用いただけるパートナ各社の状況をご覧いただき、各プラットフォームの詳細はパートナー各社へお問合せくださいますようお願いいたします。また、ディストリビューター各社からも 各パートナーソリューションを活用いただけます。OEM Partnerships (nutanix.com)https://www.idaten.ne.jp/portal/page/out/css/hci/thinkagilehx.htmlhttps://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles

Nutanixのメリットシリーズ 目次

 本シリーズはNutanix本社のマーケティングチームが2022年の秋に投稿した記事の翻訳版シリーズです。上の画像でIDCが予測するように、2022年から2026年の4年間で生まれるアプリケーションの数は過去40年間かけて生み出されてきたアプリケーションの数に匹敵します。つまり、アプリケーションが生まれるスピードが10倍になっているのです。1年や2年に1回アプリケーションがアップグレードされるのではなく、アプリケーションは1-2ヶ月という頻度で更新されるようになります。このスピードに対応するためには5年に一度更新されるようなインフラストラクチャーでは間に合わなくなってきています。また、数週間に一度というアプリケーションのアップグレードにアプリケーションの停止を伴うようなアーキテクチャーもビジネス上許されなくなり、マイクロサービス型のアーキテクチャへと急速に移行していきます。この流れに対応するため、NutanixもHCIから(ハイブリッド&マルチ)クラウドプラットフォームへと進化を続けています。これまでのNutanix HCIのメリット(メリット1-5)をベースのテクノロジーとして、マルチクラウド(メリット6,7)、クラウドDBaaS(メリット 8)、マルチプロトコルデータサービス(メリット 9)、そして何よりも重要なマルチクラウドセキュリティ(メリット 10)の提供とクラウドプラットフォームとして進化を続けています。 ぜひ復習として1-5、さらにクラウドとしてのNutanixとして6-10をぜひご確認ください。 Nutanixのメリット その 1: 動的に分散されたストレージ Nutanixのメリット その2: 自動化されたアプリケーションを意識したデータ管理 Nutanixのメリット その3: パフォーマンスとキャパシティのためのシームレスなクラスタ管理 Nutanixのメリット その4: きめ細やかで効率性の高いスナップショット Nutanixのメリット その5: エンタープライズグレードのレプリケーションとディザスタリカバリ Nutanixのメリットその6: ハイパーバイザーの選択肢 Nutanixのメリットその7: 自由なライセンスポータビリティ Nutanixのメリットその8: 統合されたセルフサービスでのデータベース管理 Nutanixのメリット その9

Nutanixのメリット その10: ネイティブな仮想マシン単位でのデータ暗号化ではじめからセキュア

本記事はNutanixのTechnical Marketing Engineer – NCI & SecurityのEric Waltersが2022年10月13日に投稿した記事の翻訳版です。原文はこちら。  Nutanixのメリットシリーズを通して、Nutanixクラウドプラットフォームの多用途性、効率性、そしてレジリエンシーについてお伝えしてきました。このシリーズでは高いパフォーマンスとレジリエンシーを大規模環境においても実現するNutanixアーキテクチャのユニークな特性を取り上げてきました。エンタープライズグレードのレプリケーションと災害復旧(DR)と組み合わせ、Nutanixはお客様にハイパーバイザーの自由な選択肢とライセンスのポータビリティを提供できる優れたプラットフォームをご提供しています。加えて、Nutanixが単独のプラットフォームアプリケーションのニーズを満たす統合されたセルフサービスデータベース管理と完全に統合されたストレージをご提供することも確認してきました。これらのすべてのメリットは重要なものですが、昨今のようにエンタープライズにおいてセキュリティが最優先事項で語られるような状況においては、プラットフォームまたはデータがセキュアではない、ということになると、こうしたメリットは全て失われてしまいます。Nutanixはセキュリティを重要な要素として考え、レイヤー型アプローチでプラットフォーム、データ、そして最終的にはアプリケーションを網羅的に取り囲んで保護しています。 これから最もみなさまにとって重要なデータセキュリティについて掘り下げていきたいと思います。プラットフォームとアプリケーションのセキュリティの基本部分について取り上げていきますが、すべてを網羅するにはもう一つ別のシリーズが必要になってしまいます! プラットフォームセキュリティセキュリティは我々の Security development lifecycle (SecDL) プロセスを利用した開発のライフサイクルから始まります。  Nutanixはまた、セキュア構成管理および自動化(SCMA - Secure Configuration Management and Automation)でセキュリティベースラインを維持しており、自動的にセキュリティベースラインに合致しないあ