クラウドファーストはしばしば間違い、その理由は?

  • 28 June 2019
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本記事はJohn Williamson氏が2019年6月14日に投稿した記事の翻訳版です。
原文はこちら

いくつかの企業にとって「クラウドファースト」ポリシーは疑いようのないものとして捉えられており、特に従来型のデータセンタインフラストラクチャのぬかるみと比較した場合にそれは顕著です。しかし、今日ではハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)のような新たなソフトウェア・ディファインド・データセンタソリューションがITの俊敏性を提供しながら、一方でパブリッククラウドで利用可能なものよりもより優れたセキュリティと統制を提供しています。驚くかもしれませんが、多くの人々がパブリッククラウドを利用する主な動機はそのコストであるということを述べますが、そうした事実を他所に、殆どの場合では、Nutanix Enterprise CloudのようなオンプレミスのHCIソリューションのコストよりも劇的に高いのです。

IDCが公開した調査によると、エンタープライズのワークロードの殆どを占めている負荷の予測が可能なワークロードにおいては、パブリッククラウド上でこれを動作させるコストはオンプレミスのNutanixで動作させる場合と比較して平均して2倍ほどになるということです。そして、2018年のIDCのCloud Repatriation Accelerates in a Multicloud Worldと銘打たれた調査によると、80%もの組織がパブリッククラウドからオンプレミスへとアプリケーションを回帰させており、今日インストールされている50%のパブリッククラウドアプリケーションは今後2年間のうちにオンプレミスへ回帰する予定であるとしています。

Steve Kaplan氏は彼の最新の著作である、The ROI Story: A Guide for IT Leadersで、導入時の先行投資がパブリッククラウドで下がるったことを理由に全体コストについて誤解している企業があると説明しています。初期コストは全体の大きな方程式の中の一つの要素にしかなりません。そしてITの意思決定者はすべての要素を勘案し、IT投資の本当のコストを足し合わせた経済的な分析を行うべきです。

パブリッククラウドとNutanix HCIのTCOを比較する際、Kaplan氏は以下を考慮するように推奨しています:

レンタル vs. 購入

これは最もよく知られている検討事項です — もしもサービスを短い時間だけ利用しようとしているのであれば、レンタルがもっとも経済性があります。長期に渡るのであれば、購入するのが殆どの場合最も安く済む方法です。いくつかのイラスティックで、バーストが起こりうるワークロードにおいてはパブリッククラウドのほうがより優れた選択です。ですが、多くの場合、ほとんどではないにしろ、企業におけるワークロードは一定したもので予測が可能なものです。そしてこうした場合には通常、Nutanix HCIで動作させるほうがはるかに経済的です。


スタッフの要件

ほとんどの組織ではクラウドのセキュリティ、クラウドのデータベース、クラウドのネットワーク、そしてクラウドの監視についての専門性を持つ適切なスタッフへの投資が完全に考慮されているわけではありません。そしてパブリッククラウドへの移行に必要な専門性についても同様です。


予測のできないコスト

非常に複雑な価格モデルのおかげで、多くの組織はその月のクラウドの請求書が“sticker shock”に苦しんでいます。2,300人のグローバルのIT意思決定者に向けた調査を元にしたNutanix Enterprise Cloud Indexでは回答者のうちの6%だけがパブリッククラウドサービスを利用した際に予算内にコストを抑えられていることが明らかとなり、35%は予算を超過してしまっていることが分かりました。


パフォーマンスに関する心配

Kaplan氏は多くの会社がミッションクリティカルアプリケーションをパブリッククラウドへ移行させる一方でパフォーマンスの問題で苦しんでいるということに言及しています。オンプレミスとオフプレミスのアプリケーション間のレイテンシの問題、クラウド内にはないほかのアプリケーションへの依存性、そしてリソースの競合 ー 「やかましいお隣さん(noisy neighbor)」効果ーなどの全てが問題になる可能性があります。こうした問題は仮想マシンとストレージの利用についてとデータの取り出し口の変更、その他でコストに繋がります。


セキュリティについての考察

パブリッククラウドでは大抵の場合、多くのお客様でハードウェアを共有しています。これがパブリッククラウドの脆弱性をより高める結果となっています。デロイトのDavid Linthicum氏は「インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)またはソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)を利用している4社のうち1社はデータへの不正アクセスのサイバーセキュリティの脅威を経験している。それだけではなく、5社のうち1社はそのパブリッククラウドインフラストラクチャをターゲットとしている先進的なアタッカーによって侵入が行われている。」ということを発見しました。セキュアな企業はこうした欠陥や脆弱性を解決しなければならず、大抵の場合、これは予期していなかったコストの追加となります。

だとしたら、プライベートなEnterprise Cloudがより良い選択肢なのでしょうか?それともハイブリドクラウド?それともマルチクラウド? Kaplan氏はエンタープライズのインフラストラクチャとして何が適切なのかという問題に出くわしたとしたら、唯一の「決定版」はパブリッククラウドやハイパーコンバージドインフラストラクチャのような破壊的なテクノロジーまでもを含め、あらゆる場面の変数を考慮に入れた完全な経済性の分析を行うことですと呼びかけています。

もしもあなたが経済性についての専門家ではないとしたら、どこから初めて良いかわからないことだと思います。Kaplan氏の The ROI Story: A Guide for IT Leaders はまさにそのためのもので、データをもとにして、戦略的なインフラストラクチャを選択するためにどのような経済性についての分析を行うべきかという内容が含まれています。ぜひ今すぐ無償でダウンロードしてみてください!

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